「あなたの価値観の中で最優先するものは何ですか?」と問われた時、あなたならどう答えるでしょう。
忙しなく過ぎていく日常の中では、改めて自分の価値観と向き合うことは少ないかもしれませんね。
50代・60代ともなると人生経験が豊富ですので、今更考えるまでもないと思う人もいるでしょう。
家族や職場の同僚、同じ電車に乗った人、道で擦れ違った人も、皆それぞれに自分の価値観を持っています。
生きる上での価値観とは
そもそも価値観とは、物ごとの価値について、何に、どこに価値があるかと判断するもの、つまり基本的な考え方のことを言いますね。
その物差しは個人だけのものではありません。
「自分の価値観を持つことが大事」と言われるわりには、ある一定の単位で括られることもあります。
世代や性別、社会単位で決めつけられることも珍しくありませんね。
そうして決めつけられる側に立った場合、違和感を抱いた経験はありますか?
例えば「自分は違う」とか「それは人によりけりだ」といった風にです。
でも逆の立場に立ってみた場合はどうでしょう?
世代で括った価値観として真っ先に思い浮かぶのは、「これだから近頃の若い人は」というフレーズです。
私はつい言ってしまった経験がありますが、口にせずともそう思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
まず自分を若くない世代として括り、その括りの価値観から若い世代を評価しているわけですね。
これは決して善し悪しの問題ではなく、ごく自然なことなんです。
時によっては世代どころか、社会規模の価値観で考えねばならないこともありますからね。
個人の価値観を発揮できる立場の人なら別ですが、いろんな世代が集まる職場に勤めている人は、互いにそれぞれの価値観と擦り合わせて仕事をしていることになります。
中にはそれがストレスになっている人もいることでしょう。
家庭も同じことが言えますね。
家族なので気ごころは知れているといっても、やはり少なからず価値観の違いという壁は存在するものですよ。
そして殆どの場合、人は無意識のうちに順応して日々を過ごしているものなのです。
自分の価値観を知る
価値観は自由であるべきものですが、なかなか自由に表現できないのが世の中というものです。
長年、そのような日常を当たり前として生きてくると、客観的に自分を顧みることも少なくなってきますね。
でも50代・60代ともなれば、そんな必要もないほど確固たる価値観というものが自分の中に存在するはずです。
人は何かを判断したり認めたりする時、まずは直観的に自分の物差しで考え、次に周囲の価値観、社会的価値観を鑑みた上で決断することが多いのではないでしょうか。
さり気ない日常でも決断する場面はたくさんあり、その度に私たちは様々な自分の価値観と向き合っています。
お金に対する価値観、仕事を進める上での価値観、家庭生活においての価値観、自分らしく自分の人生を生きるための価値観。
一般的なものを挙げてみましたが、自分らしく自分の人生を生きるというのは、現在の自分はもちろん、将来の人生設計を含んだ価値観のことです。
昔とは違い、現代は60代も実にパワフルな現役世代ですので、「老後」というと70代以降のイメージがありませんか?
その70代以降でも、元気に充実した現役生活を過ごしている人は少なくありませんね。
自分の人生設計をする上で、真っ先に考えるのは経済面と健康面でしょうか。
先のことは誰もわかりませんから、迷ったり不安に思うこともありますよね。
例えばどんなに健康に気を配っていても、思いがけず入院となった場合などを念頭に入れておかなくてはなりません。
それを目標に、現実的で具体的な人生設計を持ちたいものですね。
自分の価値観で生きるメリット・デメリット
人生設計を考える上で大事なことは他にもありますよね。
まずは自分の価値観で生きるメリットとデメリットを、具体的に、そして客観的に見つめ直してみましょう。
自分の価値観で生きるということは、自分の考えを優先するということにもなります。
一般的な家庭と地域を想定して、いくつかメリットを挙げてみますね。
- ストレスがない
- どこでも自分らしく振る舞える
- 自分が望む人生設計を実現できる
次はデメリットです。
- 人に理解されず衝突するリスクがある
- 家族の理解を得ていないと負担をかける恐れがある
共通しそうなものだけを挙げてみましたが、仕事の環境によってはデメリットがもっと増えると考えられます。
自分の考えばかりを優先すると、周囲には「自分を押し通す人」という風に映ってしまうかもしれません。
偏った価値観でないとしても、人の数と同じだけあるのが価値観というものです。
少しの食い違いが周囲との関係性を変えてしまうこともありますし、近しい人ほど我慢を強いる結果になる可能性もあります。
自分と家族で価値観を共有しよう
一緒に暮らしていると、「これくらいは話さなくてもわかっているだろう」と思いがちなのが家族です。
でも意外な考えを持っていることがあり、それを知って驚いたという経験はありませんか?
私の知人の例ですが、彼はパートナーに対してある不満を抱きながらも、長い間何も言わずに我慢をしていました。
しかしとうとう我慢できなくなり、思い切って話してみると、実は相手は良かれと思ってしていたことで、しかも無理をしてそうしていたということがわかったのです。
要するに両者ともしなくてもいい無理をし、我慢をしていたというわけですね。
互いを思いやる気持ちがあったためでしょうが、最初に一言伝えてさえおけば、無駄な我慢をせずに済んだと彼は悔いていました。
やはり「ちゃんと伝える」「きちんと話す」は家族の基本だと再確認させられた一例です。
自分の価値観を理解してほしいと思うのなら、まずは家族の価値観を知り、理解して受け入れることが大切なことだと思いますよ。
寛容さと柔軟さを持って互いに認め合うことができれば、現在感じている負担や将来への不安の軽減にもなるでしょう。
でも改まって話し合うというのもタイミングが難しいですよね。
「じゃあ、今日は家族でお互いの価値観を話し合おう」といきなり言われても、家族も戸惑うだけかもしれません。
価値観そのものよりも、共有する課題について切り出してみてはどうでしょうか。
家族構成によって現実に抱える課題は様々ですが、例えば子供の受験・就職・結婚に関すること、孫がいる人は孫に関することでもいいと思います。
そして親の介護や自分に介護が必要になった場合のことなど、既に直面している家庭なら一度は話し合っているでしょうが、まだ先という家庭でも課題であることは同じです。
デリケートな話題には神経を使うことになるでしょう。
でも避けて通れない課題に対し心構えを持つことに、早過ぎるということはありません。
自分の価値観で生きる まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
自分の価値観で生きる場合の50代・60代の人生設計とメリット・デメリットについて、今回は少し現実的な視点で考えてきました。
人生設計をする上で、一番大切なものは見えてきましたか?
将来の人生設計が独りよがりなものにならないように、まずは家族と価値観を共有し、認め合うことが第一歩だということがわかりましたね。
自分の人生設計の展望を伝えておくことももちろん大切なことですよ。
相手の価値観を受け入れる柔軟さを持ち、自分の価値観も強く持ち続けることも大切です。
どんな人生でも、全てが思い通りにいかなくても自分の価値観は失わない。
自分らしく生きるというのはそういうことなのだと思います。
皆さんの将来、そして老後が、少しでも豊かで望むものになることを願います。
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