以前であれば高齢の親はその子供が面倒を見るのが当たり前でしたが、現在は各家庭ごとに問題があり、一人暮らしをする高齢者が増えています。
平均寿命が延びたといっても、高齢になれば肉体的に様々な問題が生じてしまいます。
高齢の親がいながら、どうして一人暮らしを余儀なくされているのでしょうか?
老老介護が抱える問題点
この老老介護をせざるを得ない事情はいくつか理由があり、個人的な問題なので政府も抜本的な解決方法を見いだせないでいます。
どうして老老介護が発生してしまうのでしょうか?
子供がいない
現在は男女ともに独身のまま一生を過ごす人が増えていて、そのために自分の子供がいない人が多くなっています。
この理由は結婚そのものに興味がない場合もありますが、経済的に結婚して子供を育てるのが難しいという理由が上位を占めるようになりました。
求人倍率が高くなっても非正規雇用での就業者が増加していて、雇用の先行き不安から、子供を設けることに消極的になっているのです。
各自治体では独自の子育て政策を打ち出していて、その内容が手厚くなっている自治体では出生率が上昇しているのがいい例です。
以前であれば苦労してでも子供を産んでいましたが、今は最初から苦労するのがわかっていれば、敢えてそんな苦労は背負いたくないというところでしょう。
子供が離れた場所で暮らしている
子供がいても老老介護を行っている人は多く、その理由は高齢の親がいても子供が遠隔地で暮らしているという場合があります。
これは高齢の親は実家のある地域で暮らしていますが、子供は就職のために別の場所に生活拠点を置いているという理由からです。
仕事というのは都会に近くなるほど多く、田舎になればなるほど少なくなってしまいます。
就職のために別の場所に子供が暮らすようになり、そこで結婚や生活の基盤を作ってしまうと親の元には帰れなくなります。
親を呼び寄せる場合もありますが、高齢になると全く知らない土地に住みたがらないため、どうしても老老介護をせざるを得ないのです。
介護というのは一方の身体が不自由なケースが圧倒的であり、そんな身体が不自由な人を高齢者が介護すれば、介護する側にも身体的な負担が大きくなります。
そのために介護する人も体を壊すことがあり、結局は誰も介護をする人がいなくなってしまうという問題が発生するのです。
高齢者の独居が増えている
老老介護が問題になっているように、高齢の親が子供や伴侶がおらずに一人暮らしを行っている割合は増加の一途になっています。
つまり日本では全人口の4人に1人が65歳以上の高齢者であり、世帯数では全世帯の5%が高齢者の一人暮らしになっているということです。
日本では先進国の中でも特に高齢の親の一人暮らしが多いのですが、どうしてこのような事態になったのでしょうか?
子供が同居を望まない
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000001256.html
老老介護で説明したように、高齢の親と子供の生活場所が離れているケースが多く、どちらも現在の居住地での生活を望む傾向が強くなっています。
日本では子供がいて高齢の親と同居しているのは全体の39%であり、実家を出ずにそのまま地元で就職しているなど、生活基盤が近いことが理由になっています。
また高齢の親が同居しても二世帯住宅などお互いのプライベートは確保する場合が多く、結婚して親族以外の人がいると同居率は極端に低くなってしまいます。
昭和55年では高齢の親との同居率は70%を超えていたので、やはり義理の親との同居は敬遠しがちの傾向が現在は強くなっていると言えます。
元から人付き合いが苦手
少し前までは日本では横のつながりが密になっていましたが、今は自分だけの生活を好み、家族であっても干渉されるのを嫌がる人が増えています。
このような性格の人は結婚や自分の子供を授かるというのも消極的であり、最初から一人暮らしを求めているような生活を送っています。
仕事での付き合いはあってもプライベートは一人で楽しみたいという気持ちが強く、休みの日にも家でゴロゴロしていることが多くなっています。
高齢になると自分の体が弱くなるので人恋しさを感じるようになりますが、高齢になって新たな人間関係の構築はとても難しいでしょう。
そのため高齢での一人暮らしがいいとは考えていませんが、状況的にどうすることもできなくなってしまっているのです。
自分の親が独居になったときの対応
親もそんな事態は十分に理解してはくれますが、子供にとっては気がかりになってしまうのは当然です。
独居になると高齢ということもあって、いろいろな問題が生じてしてまうため、その対応がとても大切になってくるでしょう。
連絡は頻繁に行う
高齢の親が独居になって最大の問題は、社会問題にもなっている孤独死が挙げられます。
誰もが孤独死など望んでいませんが脳梗塞や心臓発作など、いつ起きるかわからない重篤な病気に対し、一人暮らしでは対応が難しくなっています。
東京23区の統計では年間に約3000人の高齢者が孤独死になっていて、日本全国になると一万人は軽く超えています。
この理由の多くが外部と連絡を取っていなかったために発見が遅れたからであり、すぐに対応していれば助かっていたケースが多くなっています。
高齢の親の場合、子供に遠慮して自分からは連絡を取ろうとしない傾向が強くなります。
そのため子供の方が特に理由がなくても、電話など直接的に意思確認ができる方法で、連絡を密接に行うことが重要になってくるでしょう。
(独居になった高齢の男性は特に注意する)
引用http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kansatsu/kodokushitoukei/kodokushitoukei27.html
独居における孤独死の場合、男性が女性の五倍以上になるという統計が出ています。
これは男性の方が女性よりも新たな人間関係を作るのが苦手であり、一人暮らしをすることでタバコや飲酒の量が増えるからだと言われています。
男性の場合は高齢になって何もすることが無いと、朝からでも酒を飲む場合があります。
そうすると何も食べずにひとすら飲酒するというパターンとなり、タバコの摂取量も増加するので、血液の流れが悪くなって脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなるでしょう。
女性は人付き合いがうまく他にやることをみつけるため、一人暮らしになってもそれほど自堕落な生活は行わなくなっています。
業者を介入させる
独居になってその場所が遠い場合、子供が行きたいと考えても実際にはその場所にはなかなか行けません。
高齢の親が一人暮らしをすると生活が自堕落になるケースが多く、掃除をしなかったり食べた後の片づけをしなくなったりします。
このような衛生環境と生活リズムの悪化は体にも悪影響を与えるため、ヘルパーや家事代行サービスなど、身の回りのことをお金を払えば行ってくれる業者を利用するのが効果的です。
このような業者が定期的に訪問してくれることで安否確認もできますし、高齢の親からしても他人と接触する機会ができることになります。
独居になると人との接触が少なくなってしまうため、それを避けるという意味でも家事を代行してくれる業者を利用してみてはどうでしょうか。
独居の親が要介護になった場合
高齢者が病気やケガをすれば治癒するのがどうしても遅くなりやすくなり、そこから介護が必要になるケースはとても多くなっています。
要介護は高齢になることで自然に必要となる場合はそれほど多くなく、病気やケガというのが一つの引き金になっています。
そのため高齢の親が病気を発症したりケガを起こしたりすると、介護が必要になる可能性を考慮せざるを得なくなるでしょう。
独居を行っている高齢の親が要介護となった場合、その家族はどのような対応をすればいいのでしょうか。
①市区町村役場の専門窓口で要介護認定を受ける
今は介護保険法が実施されていて、高齢の親が要介護になると、まずは介護認定を受けなければいけません。
これは費用面での補助を自治体に行ってもらうという意味もありますが、それから以後の医療機関や専門業者に対応してもらうためには絶対に必要です。
この介護認定によって高齢の親の世話をどのようにするのか決めていくため、まずは専門の人と一緒に介護認定を行って下さい。
②世話を誰が見るのか決める
要介護になった場合、家族の負担は想像以上に大きくなります。
要介護というのは身体的に不自由になってしまっているので、誰か親と常に一緒にいる人になるのかを決めなければいけません。
子供がいても遠隔地にいるのであれば同居ができないため、介護ヘルパーを雇うというのが一般的になっています。
ヘルパーであれば知識や経験があるので上手に対応してもらえますし、介護認定を受けているので費用の負担も軽減されます。
家族が交代で面倒を見るという方法もありますが、その際は開始する前にしっかりとやり方を決めていなければ混乱するだけになるでしょう。
③独居の親の生活費などを管理する人を決める
要介護になると本人が自由に行動できなくなるため、親の生活費などの管理を別の人が行うことになります。
家族が行うのがベストですが、どうしても難しければ介護施設に入所してもらい、生活の全ての面倒を見てもらうと管理しやすくなります。
施設に入ってもらえば費用は決まった時に支払えばよくなり、独居している場合の費用管理よりはずっと簡単になります。
お金の問題は揉めると家族であっても大きな問題になってしまうので、納得できる形で早期に決めておくことが大切です。
④定期的に親のところに行って状況を把握しておく
要介護になると急速に体が弱体化してしまうため、毎日が難しいのであれば定期的でも来訪し、その状況を家族が知っておいて下さい。
これは将来について考えなければいけないからであり、回復の見込みがないのであれば住居などをどうするか考える必要が出てきます。
回復した場合には元いた住居をバリアフリーに改築するという意味も含んでいて、高齢であればその状態が変化しやすいので大切な行為になります。
遠隔地にいても定期的であれば来訪はできるでしょうから、電話でヘルパーに近況を聞くのは当然として、自分の目でも確かめるようにしましょう。
親の介護と自分の生活
一人暮らしを行っている高齢の親に介護が必要になると、子供には親の介護と現在の自分自身の生活を両立することになります。
人的な援助をすれば仕事は退職できないのであれば手をつけられないため、プライベートの時間を犠牲にするしかありません。
独身であればまだやり繰りは立ちやすいのですが、問題なのは幼い子供がいる場合です。
親の介護のために家を空けるということは子供の面倒が見れないということになり、親の介護を取るか子供の面倒を取るかという二択になってしまいます。
夫婦であったり子供の面倒を見てくれる第三者がいればいいのですが、いなければ時間配分をよく考え、両立させるしかなくなってしまうでしょう。
高齢の親からすれば知らない他人よりも身内に面倒を見て欲しいという希望がありますが、既に新たな家族ができているのであればある程度は考慮してもらえます。
現在の高齢の親は自分の子供であっても迷惑をかけたくないという考え方を持っている人が多く、自分のために子供が犠牲になることをあまり望んでいません。
介護が必要になっても冷静な判断がでくるのであれば、介護についてどうするか当事者同士でじっくりと話し合ってみて下さい。
その場合にはまず介護する側の人間がどのような時間配分で生活を行っているのか伝え、そこからヘルパーに依頼できる時間を考えて思案するのが最適です。
二重生活の両立は絶対に不可能とは言えませんが、はっきり言って世話をする方の肉体的負担が大きくなり過ぎます。
介護が必要な高齢の親がいるのであれば、その世話を行う人の負担も十分に考慮した方法を見つけなければ、共倒れになってしまうでしょう。
まとめ
高齢の親の一人暮らしは現在では避けられない問題になっていて、増えることはあっても減ることは無いでしょう。
平均寿命が延びていて、実家でそのまま暮らすことができないという社会環境が原因であり、これは個人でどうにかできるレベルではありません。
また個人の意識の尊重も大きな原因になっていて、どこまでも自分の時間を大切にする風潮が低減しない限り、一人暮らしの高齢の親が要介護になっても他人任せになってしまいます。
ただ介護する側であった自分も高齢になるわけであり、いずれは自分も介護される側になるかもしれません。
誰でも何かの問題を抱えながら生活しているのですから、自分だけが苦労しているという考え方を持つのはいいことでは無いのです。
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