あなたはどんな60代の生活スタイルで日々を過ごしていますか?
また、どんな生活スタイルを思い描いていますか?
しっかりと老後のための蓄えをして、できればのんびりと悠々自適に暮らしたいものですよね。
老後といっても65歳からだと思う人もいれば、70歳を過ぎてからと思う人もいます。
中には60歳からだと言う人もいて、捉え方は様々なようですね。
日本人の平均寿命は80歳を超えています。
仮に70歳からだとすると10年以上、65歳なら20年くらい、60歳からなら20~30年ほどの老後生活が待っているということになります。
あくまでも平均ですので、実際は自分が幾つまで生きるのかは誰にもわかりません。
何年続くかわからない老後に、どれだけの備えが必要なのか、それは誰もが悩むポイントではないでしょうか。
そして自分らしく、自分の好きなことをしながら暮らしたいというのも、誰にでも共通する希望だと思います。
今回は60代の生活スタイル、退職後の生き方に望むものについて、その実現の可能性などを考えてみましょう。
60代男性の興味は料理?買い物?
実際に60代を過ごしている人はどんなことに興味を持っているのでしょうか。
周囲を見てみると、男女ともに「旅行」が大人気のようですね。
豪勢な海外旅行、近場の日帰り旅行、気軽にのんびり一人旅というパターンもあります。
自由にできる時間が増え、皆、生き生きとして楽しんでいますよ。
特に男性はバイクやサイクリングが趣味という人が多く、活発に外出する印象です。
散歩とウォーキングはもはや定番ですし、買い物をしたり、ただブラブラ歩くだけでも楽しいという人もいますね。
また健康への意識が高まっているようで、食事のバランスなどを考えながら、自ら料理をするようになったという人もいます。
中高年の男性を対象とした料理教室は、度々テレビ番組でも取り上げられていますね。
元々料理好きな男性もいますし、必要に迫られてという人もいますが、家事でもある料理に興味を持つことは素晴らしいことだと思いますよ。
食は人の基本であり、家庭の食卓は家族の基本の場とも言えます。
家族に手料理を振る舞えば新鮮な気分になり、会話もきっと弾むことでしょう。
私たちが幼い頃の祖父母の世代とは違い、現代の60代はとても若々しく感じられますね。
一方で仕事一筋だったためか、特段、趣味と言えるものがないという人もいます。
インターネットを眺めていると、シニア世代に趣味を提案したり勧めるサイトをよく見かけるようになりました。
無趣味の人だけでなく、定年退職後に新しいことに挑もうとする人が多数存在することの表れですね。
何にしても、やりたいことを見つけて楽しむことはとてもいいことです。
人生に活力を与えてくれますからね。
しかしながらです。
60代の生活には不安もつきものですね。
費用がかかる趣味は余裕があってこそ実現できるもので、現実では年金の支給は引き上げられ、仕事を続けられるとしても収入減の可能性は高くなります。
老後という言葉を聞いて真っ先に思うこと、それは経済面に関しての不安ではないでしょうか。
次は現実的な経済面から、60代の生活スタイルを考えてみましょう。
60代夫婦2人の生活費を考えてみる
家族構成や環境によって差はありますが、既に50代から夫婦2人で暮らしている場合は、「月に〇〇万円くらい」という具体的な把握はできているかと思います。
総務省統計局の家計調査によりますと
という結果が出ています。
ここで言う「生活費」は「消費支出」と称されるもので、食料費・住居費・光熱費・被服費・保険医療費・交通費・通信費・教育費・教養娯楽費などを含みます。
税金・社会保障費・貯蓄は含みません。
内訳を詳しく見てましょう。
となっています。
60歳以上で持ち家がある人は90%を超え、高年齢者雇用安定法の改正によって定年の引上げ・再雇用等が実施されてから、勤労者世帯は増加傾向にあります。
収入が増えれば、ある程度の消費が増えるのも当然ですね。
次は勤労者世帯と無職世帯に分け、その消費支出を細かく見ていきます。
どれも2人以上の世帯の場合の平均的な1ヵ月当たりの消費支出です。
- 勤労者世帯(60歳以上)=305,794円
- 高齢無職世帯(60~64歳)=290,034円
- 高齢無職世帯(65~69歳)=264,661円
高齢無職世帯とは世帯主が60歳以上の無職世帯を指します。
また高齢無職世帯のうち
と報告されています。
内訳を見てみましょう。
となっています。
全体の平均と比べ、生活費は65,000円弱減少していますが、内訳自体にそこまでの差異はありませんね。
勤労者世帯は増加傾向にあると先程言いましたが、実は高齢無職世帯も少しずつ増えています。
どちらにも含まれない個人営業などの世帯だけが減少を見せ、17.8%となっています。
さて、平均的な生活費はあなたの予想の範囲内でしたか?
それくらいなら大丈夫そうだと思う人もいるでしょうが、どれだけ蓄えがあっても不安を感じる人は多いようです。
内閣府の世論調査によりますと
この傾向は70代でも変わらず、現実の厳しさ、或いは不安といったものを常に心の中に抱えていることを示していますね。
その不安の原因は何なのでしょうか。
次はシニア世代の生活を支えるための年金について考えていきます。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2017np/gaikyo/pdf/gk02.pdf
60代年金で生活をまかなえる?
若い頃から老後の生活スタイルを計画的に考えている人もたくさんいますが、なかなか計画通りにいかないのが人生というものです。
子育てには予想以上に費用がかかる場合もありますし、思いもよらぬ自分や家族の怪我・病気等によって、時には貯蓄を取り崩さねばならない状況になることもありますね。
蓄えがさほど無い場合、60代の生活は年金だけでまかなえるのでしょうか。
内閣府の世論調査によりますと、66歳以降も働きたいと思う60代の割合は70%を超えています。
理由は
66歳以降も仕事をしたいのは、年金だけでは足りない、或いはゆとりがないからだという人が半数以上いるということになりますね。
70代以上になると割合は減りますが、それでも働き続けなければ生活費が足りないという人は14%もいます。
先程の高齢無職夫婦世帯の家計収支でも、年金などの社会保障給付では間に合わず、月平均54,519円の赤字となっているんですよ。
逆に公的年金だけに頼るという人の割合は60代で23.8%、70代でも半数以下の45%にとどまっているというのが現状です。
政府に対する要望の調査では、「医療・年金等の社会保障の整備」が1位を占め、2位の景気対策とほぼ変わらない数字で、3位には「高齢社会対策」が挙げられています。
年金の受け取り方を工夫することも大切ですが、現実にはそれ以外の生活費捻出プランが必要となりますね。
貯蓄が少ない人なら尚更です。
でも決して悲観的になる必要はありませんよ。
年金の支給を受けつつも生活を維持し、少しでも楽しめる老後にするための方法を、柔軟かつ前向きに考えていきましょう。
60代で生活費を補填する方法
生活費が足りないからといって、安易に子供や兄弟、親類の世話になることを考える前に、まずは自分にできることがないか探してみましょう。
親孝行したい子供は様々な形でサポートしてくれるでしょうが、できれば元気なうちは自立した親でありたいものですし、子供にも負担はかけたくありませんよね。
世話になるのは自分の体が弱り、働けなくなってからでも遅くはありません。
シニア世代の就業率は増加し、むしろシニア世代を求めている職場もあります。
少子化の影響もあり、若年層の人材が不足しつつある時代ですよ。
柔軟な思考を持って新しいことにどんどん挑戦してみましょう。
新しいことといっても、何らかの資格を持っている人には有利な市場もあります。
現役時代の伝手を活かす手もありますし、人材紹介サービスを利用するのもいいでしょう。
でも、あくまでも既に資格を得ている人の場合ですよ。
これらの仕事は経験を重視されることが多いですので、慌てて勉強して資格を取っても採用されるとは限りません。
また事務職などのオフィスワークは希望者が多く、その分ライバルも多いのでなかなか難しいでしょうね。
資格もないけどとにかく働きたいという人は、ハローワークの窓口に相談してみるのもいいでしょう。
資格を問わない職種もたくさんありますからね。
年齢を考えると家から近い職場が理想だと思いますので、自分の足で探してみることもお勧めします。
例えば大手コンビニチェーンやファミリーレストランでは、積極的にシニア世代の雇用に取り組んでいて、実際に働いている姿をよく目にします。
アルバイト雇用が殆どでしょうが、働く時間帯を選ぶこともできますし、実際に働いている人の中にはむしろアルバイトの方がいいという人もいます。
若年層のアルバイトは入れ替わりが激しいので、接客が苦にならない人なら、60代にはピッタリな職場ではないでしょうか。
おそらくシニア層が仕事をする上で、報酬以外に求めるものは「やり甲斐」ですよね。
人生経験から滲み出るコミュニケーション力は、お客さんの笑顔という無形の報酬を与えてくれますよ。
店の役に立っている、人の役に立っているという実感を得ることで、あなたの心も一層豊かになるでしょう。
今の60代ならパソコンを使える人も多いでしょうし、スマホさえあれば時間を問わず職探しができます。
ただし、情報弱者を狙った詐欺まがいの求人もありますので注意が必要ですよ。
したい仕事が見つかったら、まずその会社が実在するものかを調べ、口コミ情報による評判にも目を通しておきましょう。
会社の住所がデタラメだったり、仕事をしても報酬が支払われないというトラブルをよく耳にします。
在宅ワークは内職分野ですが、若い世代も小遣い稼ぎや貯蓄のための副業として、利用している人はたくさんいますよ。
まずは自分に合った仕事の種類、勤務時間、場所などを具体的に考えてみてくださいね。
職場が近くない場合は交通費の有無の確認も忘れないようにしましょう。
新しい世界には新しい出会いがたくさんあります。
その新鮮な刺激は、きっとあなたから「老い」というものを遠ざけてくれるはずですよ。
60代生活スタイル まとめ
今回は60代の生活スタイル、あなたの退職後の生き方に望むものと、その可能性をテーマに話を進めてきました。
いかがでしたか?
主に経済面での厳しい現実を取り上げましたが、あなたらしい生活スタイルのヒントはあったでしょうか。
60代には過酷とも思える時代ですが、実は若い世代の方が老後への不安が強い傾向にあるんですよ。
現代でさえ、少子高齢化は若い世代に負担を強いることになってしまっていて、自分たちが老後を迎える時代の見通しすら不透明だからです。
どの世代も自分の生活で精一杯だとしても、私たちができることがあるとするのなら、探してでも道を見つけるべきではないでしょうか。
生涯現役社会は国や公共団体に与えられるものではなく、自分たちで切り拓くくらいの気持ちを持った方が実現は早いのではと感じます。
60歳を目前に控えた50代の皆さんも、自立した60代を迎えられるように準備をしておいてくださいね。
今からでも決して遅くはありませんよ。
この国の若い世代や子供たちに繋げていくのも、そういった社会を目指す私たちの役目だと思っています。
60代の生活スタイルが、40代、50代が目指すようなモデルケースとなることを望みたいですね。
60代の皆さん、生涯現役社会を私たちの手で勝ち取りましょう。
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